現代社会における健康とは、WHOも示唆する通り、身体的、精神的、社会的に満たされた状態を指す総合的概念です。人間健康論には、人間の誕生から高齢までのライフステージをフィールドにして、「こころ」「からだ」「くらし」を総合的にとらえる生き方としての人間の健康という視点を軸にして学際的かつ実践的なアプローチが求められます。 この授業では、これまでの健康科学、スポーツ科学の知見に加え、人文学的視点を伴う身体文化の「からだ」を分析する新たな知見を参照しながら人間にとっての健康について幅広く考察していきます。
現代社会において社会福祉制度は国民生活と切り離せないものになっています。本講義では、社会福祉政策を方向づけ、制度を成り立たせている福祉の概念・価値・背景について講義を進めていきます。とりわけ歴史的背景に重点を置き、現代社会における福祉制度の意義や理念、福祉国家の形成と発展、社会福祉政策と関連する他領域の政策についても考えます。また、今後の社会福祉政策の課題について展望します。
ユーモアと笑いに関連するトピックスを網羅的に紹介する。まずはユーモア学の現状を展望したあと、笑いのメカニズム、笑いの身体的・心理的・社会的機能を 分析する。そして笑いとユーモアの関係を明らかにし、それをふまえてユーモアの人間学的意味に立ち入り、さらにはユーモアの文明論的可能性を論じる。
「頭では理解できるが腑に落ちない」という表現があるように、深い理解、「学び」において身体や身体感覚は重要な要素となっています。この講義では、「学び」という現象に身体がいかに関わっているかを教育学、歴史学、現象学、心理学等多角的な視点から考察を加えていきます。あわせて「声に出して読む」「手で書いて読む」等、具体的に身体を使った「学び」の技法も実践を踏まえつつ検証します。また「学び」における身心両面にわたる「構え」の重要性や姿勢の問題に関しても検討を加え、技法以前の技法としての「学び」の身体技法についても考察します。
暮らしの中での健康づくりの重要性は年々高くなっており、高齢者や障害者における福祉レクリエーションのニーズも高まっています。
この授業では、レクリエーションの理解を基盤に、福祉レクリエーションの概念、歴史、支援の考え方および支援の方法等について学習します。
また、近年、高齢者ケアの現場で実践されているアクティビティケアおよび介護予防などについても概説します。
コーチングに対する理解を深め、さまざまな年代や競技レベルの選手に対する指導者としての資質を備えるための知識を身につけるとともに、運動指導に関する諸問題について議論します。
これまで、日本のスポーツは学校と企業を中心に発展してきたので、地域のスポーツが育ってきませんでした。しかし、70年代のコミュニティースポーツにはじまり、90年代のJリーグの発足をきっかけとして、地域のスポーツが注目され始めました。とりわけ、近年、誰もが気楽にスポーツを楽しむことを目的とした「総合型地域スポーツクラブ」の設立が増えてきています。そこで、地域の実情に合った地域スポーツをデザインすることを目的として、スポーツクラブ設立のために必要な事柄について学習し、実際に地域スポーツクラブの設立の企画書を作成し、プレゼンテーションします。
体育やスポーツの分野における走運動、力強い運動、巧みな運動など様々な身体運動を取り上げ、力学、生理学、解剖学などの基礎知識を応用して、各種運動の仕組みについて理解を深めます。授業では、基礎的な知識を習得した後、各種のスポーツ技術や身体技法などを材料に実習を行い、より実践的な学びを促進します。
わが国では、諸外国と比較しても急速なスピードで人口高齢化が進行しており、介護問題をはじめとするさまざまな問題が発生しています。本講義では、ますますニーズが増大している高齢者支援について検討し、高齢者保健福祉の基本的知識を学びます。具体的には、次のような事項の理解を深めます。人口高齢化の要因とその社会的影響、高齢者の生活実態、介護の概念、介護の対象、介護予防、認知症ケア、高齢者福祉・介護制度の発展過程、介護保険制度、ターミナルケアなど。
子ども家庭福祉は、従来の児童福祉論をさらに現代的に拡大した概念である。児童福祉は社会福祉サ-ビスの中でも最も歴史のある領域であったが、その歴史性故に、一方で今日的な社会状況への対応力が低かった。児童の権利に関する条約や国際家族年を踏まえ、新たに提案されたのが、子ども家庭福祉という概念であり、そこでは、保護的福祉から、支援的福祉あるいは主体性の福祉論への転換が意図されている。
本講では、子ども家庭福祉という概念が出てきた背景、内容、政策動向などについて理解したうえで、現代の子ども家庭福祉の諸側面について講義する。
テーマは「道化の社会史」。道化はどの社会にも何らかの形で存在する滑稽の社会化の典型的な様式である。本講義では何よりまずその存在形態の歴史的多様性を知ったうえでその普遍的な社会的機能を明らかにしたうえで、道化の歴史的な変化のうちに映り込んでいる社会の変化そのものを読み解く。
相談援助の知識と技術に係る科目の履修を前提として、社会福祉施設や機関等おいて相談援助実習を行います。相談援助に係る知識と技術を具体的かつ実際的に理解し実践的な技術等を体得し、社会福祉士に求められる資質、技能、倫理、ならびに自己に求められる課題の把握等に総合的に対応できる能力を習得します。