学科概要
デジタル化が進む現代に、その根幹を支えるエレクトロニクス(電子工学)をグリーンにデザインする、グリーンエレクトロニクス工学科を日本で初めて開設します。世界的にも注目度が高く、大量の人材不足が予測されている、新たなグリーンテクノロジーを開発するGX(グリーントランスフォーメーション)人材を育成します。
スマホやパソコン、EV車などに搭載の半導体デバイスを中心に、ハードウェアとソフトウェアの両面から、資源循環を意識した原料、電力消費量の少ない集積回路設計、その回路を用いたエネルギー効率の高いAIアルゴリズムの開発を研究します。
グリーンエレクトロニクスとは
グリーン
持続可能な社会のための環境に優しい
エレクトロニクス
ハードウェア、ソフトウェアを生み出す・使いこなす電子的なテクノロジー
設計・製造・使用・リサイクルといった電子機器のライフサイクル全体において、AI/IoT・情報通信技術を駆使して環境への影響を最小限に抑えることができる電子技術のことです。特に消費電力が少ない、エネルギーをグリーンに使うことができる電子機器に関する分野です。
学びの特色
本学科の特色は、環境に優しい電子機器およびソフトウェア・AIの両立のため、数学と基礎物理・化学をベースとし「半導体デバイス物性」「装置・加工・計測・制御」「アナログ・ディジタル集積回路」「数値計算・情報」の4カテゴリを学べるカリキュラムに加え、充実した実験・実習、PBL(プロジェクト学習)があることです。また、産学連携や海外大学との共同研究を強みとしています。
4つの学びのカテゴリ
- 半導体デバイス物性
- 装置・加工・計測・制御
- アナログ・ディジタル集積回路
- 数値計算・情報
実践的な学び
- 充実した実験・実習
- PBL(プロジェクト学習)
- 産学連携プログラム
- 海外大学との共同研究
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Q. どのような研究ができますか?
半導体技術の低電力化に代表される研究が魅力!半導体技術は電子機器の小型化・低電力化に大きく貢献してきました。しかし、PCなどの高度化に伴い、更なるグリーン化が求められています。現在、急激に需要が高まっているAI用半導体では、特にグリーン化・低電力化が求められています。グリーン半導体実現に不可欠な、電子回路、電子材料、入出力デバイス、半導体製造などの基礎研究からAIを代表とする情報処理システムなどの応用まで、様々な研究ができます。
Q. グリーンエレクトロニクス人材は求められていますか?
GX人材は欠かせない!脱炭素社会の実現のために必要なGX(グリーントランスフォーメーション)人材は、2035年までに200万人不足するとの試算もあるほど、今最も不足していると言っても過言ではありません。
Q. 高校時代に何かしておくと良いことはありますか?
「数学」「物理」の基礎を強固に!完璧にできる必要はありませんが、数学や物理の基礎知識を入学後に応用して研究をします。色々な知識の点と点を繋ぎ、大学での学びを深めます。身近な日常のことに興味を持つことや、なぜだろう?どういう仕組みだろう?と常に考える習慣を身につけましょう。
Q. 卒業後の進路のイメージはどのような業界・職種ですか?
多様な進路で活躍が期待されます。まず、半導体設計・半導体製造業界が挙げられます。前者はファブレスと呼ばれ、半導体の企画から設計までを行います。そして、後者は受託製造に特化した半導体メーカーで、ファウンドリと呼ばれます。次に、電気機器業界があります。そこでは、半導体を用いた商品開発で、グリーンエレクトロニクスを活かし、持続可能で省エネ、高性能も叶えるGXインベンターとしての活躍が予想されます。自動車業界では、新型EV車が続々と開発され、AI搭載のサイバートラックで性能を高め、エンターテイメントも楽しめることと、省電力や再生利用も同時に考える先進的なGX人材になることが予想されます。
想定される進路
半導体設計(ファブレス)/製造(ファウンドリ)業界を中心に、電気機器業界での半導体を用いた事業開発、商品開発、技術開発など、エコと便利や安心安全、どちらも叶える製品やソフトの開発など、どの業界でも、世界的にも、大量に必要となるGXインベンター(GX推進において、環境と経済の両指標から重要なビジネスや技術を発見・開発することができる人材)として活躍できます!
想定される業界
- 半導体デバイスメーカー(設計・製造)
- 電子機器製造メーカー
- 自動車・電子機器関連
- AI、ソフトウェア関連
- 医療機器関連
- 情報通信業
想定される職種
- 回路設計
- 製品企画
- 研究開発
- 機械(光学)設計
- 生産技術
- 分析及び評価
- 品質管理・品質保証
- システムエンジニア
- データサイエンティスト
企業からのメッセージ
新設に寄せて
このたび、関西大学におかれまして「グリーンエレクトロニクス工学科」を新設されましたこと、心よりお祝い申し上げます。
大量生産・大量消費の20世紀が終わり、地球が有限であるという認識が広く共有される今、これまでとは異なる社会課題の解決と、新たな価値創出を担う人財を育成されるという貴学の理念に、深い敬意を表します。
半導体は今や、社会インフラの一部といっても過言ではありません。
もはやそれなしでは生活が成り立たないスマートフォン、カーボンニュートラルの実現、劇的に進化する人工知能(AI)など、社会のあらゆる変革の基盤を支えているのが半導体です。
ロームもまた、こうした変化に対応すべく、パワー半導体やアナログ技術を通じて、持続可能な社会の実現に挑戦しています。
ただ、今はまさに変革の時代であり、「次に何が来るか」は誰にも予測できません。
だからこそ、現状に対して健全な疑問を持ち、新しいこと・未知のことに果敢に挑む、幅広い視野と柔軟な発想を備えた人財が求められています。
その意味で、貴学が新設された本学科のテーマ「未来を変える学び」は、まさに時宜を得たものであり、これからの半導体産業を支える人財像と重なります。
学生の皆さんには、日々の学びを通じて「自らが現実を動かしている」という手応えを感じながら、恐れずに未知へ挑戦してほしいと願っています。
失敗を恐れず挑む経験こそが、実社会で発揮される真の強さとなるでしょう。
そして、いつの日かロームをはじめとする技術産業の舞台で、培った知識と情熱を存分に発揮されることを心より期待しています。
最後に、関西大学システム理工学部グリーンエレクトロニクス工学科が、次世代半導体産業を担う広い視野を持つ人財を多数輩出し、関西ひいては日本の産業発展に大きく貢献されることを祈念申し上げます。
“グリーンエレクトロニクス人材”に期待
生成AIの急速な進展は、半導体デバイスの微細化や3次元化にとどまらず、材料開発からシステムレベルの統合に至るまで、半導体技術の進化を加速させています。次世代の半導体を支えるには、複雑化するデバイスアーキテクチャや新材料の開発に加え、環境負荷の低減という社会的要請にも応えていく必要があります。特に、デバイスの微細化が進むことでプロセス工程数が増え、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量が増加することが大きな課題となっています。これに対応するためには、産官学の連携による革新的かつ環境に配慮したプロセスソリューションの開発が不可欠です。
このような時代において求められるのは、半導体に関する高度な専門知識に加え、持続可能な社会の実現に向けた強い意志と、広い視野を持って課題を俯瞰し、解決策を導き出す力です。さらに、グローバルな視点で情報を収集・活用し、総合的な価値を創出できる人材が必要とされています。
このたび関西大学システム理工学部に新設される「グリーンエレクトロニクス工学科」は、物理・化学といった基礎学問に加え、半導体の実装技術や応用分野に至るまで、実践的かつ体系的なカリキュラムを備えています。また、企業との産学連携や国際的な共同研究を通じて、世界を舞台に活躍できる力を育む環境が整っています。
本学科から、次代の半導体産業を牽引し、技術革新と環境調和を両立させる「グリーンエレクトロニクス人材」が数多く輩出されることを、心より期待しています。
技術戦略担当執行役員 三河 巧
このたびは、グリーンエレクトロニクス工学科の設立、誠におめでとうございます。
持続可能な社会の実現に向けて、グリーンエレクトロニクスは次世代産業を支える中核技術です。
関西大学様における「グリーンエレクトロニクス工学科」の新設は、環境負荷低減と先端半導体技術の融合を目指す私たちにとって、大きな希望となります。
ヌヴォトンテクノロジージャパンは、AIoT・モビリティ・エネルギー分野において、
・低消費電力半導体
・電池制御技術
・パワー半導体材料
など、環境と共生する技術開発を推進しています。さらに、産学連携や社会課題解決型スタートアップ支援を通じて、未来を切り拓く活動を続けています。
この学科で育成される高度な専門知識と実践力を備えた人材が、カーボンニュートラルや循環型社会の実現に向けたイノベーションを加速し、グリーンテクノロジーの新たな価値創造に貢献することを強く期待しています。
関西大学様とともに、持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けてまいります。
代表取締役会長 小山 一弘